■太綱の文言
   ※太綱にあると明記してあるもの。

天下は仁道をもってこれを治むべし
太綱天の巻の一。著名な一文。以下、「民を虐げてはならぬ、戦乱を嗜んではならぬ、税を重くし、令を重くしてはならぬ。民を贄にしてはならぬ、民を売り買いしてはならぬ、公地を貯えてはならぬ、それを許してはならぬ、道を修め、徳を重ねよ。万民の安康をもって国家の幸福とせよ。……」と続く。
 
兵をもって他国に侵入してはならぬ
「侵す」 = その国の国策に背くこと(「国策」=時の朝廷)、他国領土に布陣すること、王や麒麟なしに使令だけで他国に入ること
これに背くことはいわゆる覿面の罪に相当し、王と麒麟が数日のうちに斃れるほどの大罪である。
 
王がなければ九侯の全て、王があっても九侯のうち余州八侯の半数以上が在らねばならぬ
「在る」=「国にいる」 …… 四侯以上が一時に国を空けてはならない
王が不在位の時は九侯の全てが国にいなければならない。王が在位中でも、最低でも四侯が国にいなければならない。  
自国の麒麟は戸籍に含まれぬ
※麒麟だけでなく、王にも戸籍はない。戸籍がないので婚姻もできない、ということなのだろうか。
 
その国の民でなくてはならぬ
※三公についての言及。祥瓊は慶国民でなくとも女史を務めていたため、伯以上の仙についての条件か。
 
子を願う者は同じ里の婚姻した夫婦でなければならぬ、婚姻する者は必ずその国の男女でなければならぬ
※里木に帯を結ぼうとしても結べない。
 
他:井田法(地の巻)、置くべき官の決まり、州の数、等。

 

■その他の条理
   ※太綱にあるかどうかは不明。もしくは、文言なし。

王はその国出自の者でなくてはならない
※出身がその国であれば良く、戸籍などの有無は関係ない。
 
王は婚姻できない
※王になる前にすでに婚姻していれば子供はさずかることができる。(※路木には王の子が生る)
 
神籍あるいは、仙籍に入り、伯以上の位を持つものでなくては、虚海を渡ることはできない
※呉剛の門を開くことができるのは麒麟、上位の仙、それなりの妖魔のみ。呉剛環蛇は二形を持たない人にはくぐることはできない。仙が虚海を渡っても蝕は起こらないが(『風海』36頁)、王が虚海を渡ると甚大な被害が出る。――どうやら、王は一応虚海を渡る体は持っていても、そのことを極力制限されているように思われる。
 
伯位以上の位は、王の近親者、冢宰、三公諸侯に限る
※新たな位を設けてはならない、の文言はないが、伯位以上は駄目らしい。――伯位以下なら可能か?
 




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