▼用語集

 十二国記特有の語、特有の意味を持つ語、諺など(五十音順)

■用語集

安闔日
あんこうじつ
年に四度、春分・夏至・秋分・冬至の日に黄海の入口である四令門が一度ずつ開く日。 風海115
図南106
雲海
うんかい
天上と天下を分ける、空の上にある海。浅く見えるが、潜っても底にはとどかない。天下の高所からは、瑠璃の大天上のような雲海の底を見ることができる。 東西27
万里上27
王気
おうき
麒麟が感じる、王の気配。ほかの者とは明らかに違う、という際立った感じ。 風海364
海客
かいきゃく
蝕によって、蓬莱から流されてきた者。東の国に流れ着く。 月影上103
界身
かいしん
他国他都市間の界身には座と呼ばれる強力な組織があり、座に参加している界身の烙款らっかん(焼き印)があれば、同じく座に参加している界身のどこでも金銭などを受け取ることが可能。 万里上208
懐達
かいたつ
〈慶〉達王を懐かしむ、の意。短命の女王が長く続き、長い治世を敷いた達王にちなんで、男王を望むという意味。裏に、女王を疎んじる意味も含まれている。 万里上31
仮王
かおう
王が天命を失い斃れた後、新王が登極するまでの間に立つ仮の王。多くは冢宰がなり、仮の朝廷である仮朝を開く。 乗月80
架戟
かげき
冬器を売る官許の武器商。店の入口に目印として官許の札と戟ほこを架けておくため。 万里下52
家生
かせい
家族として主人に養われる浮民である下男下女。衣食住の保障はあるが、給金はもらえない。 図南35・341
割旌
かっせい
浮民の別名。家生や黄朱の民は、逃げることのないように旌券を割らされるため。 図南342
偽王
ぎおう
王の天命がいまだ尽きないままに、大逆によって登遐した際、立つ王。多く王を討った者がなり、偽朝を開く。 乗月80
給田
きゅうでん
数えの二十歳で、国から土地をもらうこと。この、国がくれる土地を公地、許可をもらって自分で開墾した土地を自地という。給田は正月にいっせいに行われる。 万里上226
玉泉
ぎょくせん
宝玉を産出する泉。種になる玉を沈めておくと、それが育って巨大な結晶になる。同様に金泉・銀泉もある。 風海349
許配
きょはい
結婚相手を紹介する職業。給田の時、同じ籍に入れば同じ土地に振り分けられるため、望む土地に移ることができる。 万里下15

こう
暖炉の暖気を壁の間や床下に通して部屋自体を暖める設備。 万里上197
黄海
こうかい
世界の中央に位置する、人外の土地。妖魔妖獣の住処で、荒涼とした砂漠や荒地、樹海が広がる。 図南52
郊祀
こうし
冬至に行われる、王が郊外へ赴いて天に国の加護を願う儀式。 万里上56
丕緒42
鴻慈
こうじ
〈戴〉泰王が路木に願って生った荊柏という植物。もとは黄海の植物。実を乾かすと炭の代わりになる。戴国首都鴻基にいる王の慈しみ、という意でこう呼ぶ。 黄昏242
剛氏
ごうし
昇山する者の護衛を生業とする黄朱の民 図南131
黄朱の民
こうしゅのたみ
《同:黄朱、黄民こうみん、朱民しゅみん朱旌》定住せず、芸や商売をしたりしながら諸国をまわる浮民。もともとは、旌券に仮のものであることを示す朱線が入っていることから朱旌と呼ぶが、それが転じて朱民、また、「黄海の民」と言う意味から黄民とも呼ぶ。 図南143
高岫
こうしゅう
国境のこと。各国の境にある山脈を高岫山と呼ぶことから。関門は一〜三か所。 万里上273
国氏
こくし
王と麒麟、王の近親者が持つ、国名と同じ音の一字。景(慶東国)、延(雁州国)など。国氏を冠して、王ならば「景王」、麒麟ならば「景麒」「景麟」などと号される。天の条理に背いた場合、国氏が変わることもある。(例:斎→采、代→泰) 月影下223
風海34
華胥262
黄昏287
呉剛門
ごごうもん
月の呪力を借り、地上に開く世界と蓬莱、崑崙を結ぶ門。呪具、もしくは妖魔、上位の仙、麒麟だけが開くことができる。月のない昼間や、黄海の中や雲海の上では開かない。 風海40
黄昏225
五山
ござん
黄海の中央にある五つの山。中央に崇高山、東西南北をそれぞれ蓬山(千年ほど前までは泰山)、華山、霍山、恒山。男仙女神・女仙の住処。崇山には天帝が住み、華山には西王母が住むと言われている。 風海24
万里上28
金剛山
こんごうざん
黄海をとりまく東西南北の山脈。どんな生き物も越えることが出来ないと言われる。 風海43
崑崙
こんろん
漢とも。世界の陰にあると言われる伝説の国。中国のこと。 月影下42
風海40
山客
さんきゃく
蝕によって、崑崙から流されてきた者。金剛山の麓に辿り着く。芳国に最初に仏教を伝えた。 月影下42
万里上331
失道
しつどう
王の道に悖る行為によって、麒麟だけが罹る病。王の天命が尽きたことの証とされる。王が改心するか、もしくは王が自ら死ねば治る。麒麟が斃れてから実際に死亡するまでは数か月から一年ほどかかり、王が斃れるまでにはさらに数か月から一年ほどの猶予がある。 月影下203
万里上150
射儀
しゃぎ
祝い事や賓客があった時の祭礼時、弓を射る儀式。鳥に見立てた陶製の的、陶鵲とうしゃくを射る。宴席でのものを燕射、国家の重大な祭祀吉礼に際して催される射儀を、特に大射と言う。 丕緒15〜17
折伏
しゃくぶく
麒麟が妖魔と気迫をもってにらみ合い、名を読み取り使令に下すこと。 風海169・171
捨身木
しゃしんぼく
蓬山にある、麒麟の生る木。先の麒麟が斃れると即座に実り、一年を待たずに生まれる。根にはその麒麟の女怪が生り、一日で孵る。 風海29
帰山307
朱氏
しゅし
猟尸師のこと。人に雇われず生活するために朱民の筆頭とされている。(→黄朱の民 図南141
朱旌
しゅせい
朱線の入った仮の旌券。または、旅芸人のこと。(→黄朱の民 図南142
生国
しょうごく
麒麟にとっての自分の国。実際にそこで生まれるわけではないがこう呼ぶ。「―に下る」麒麟が王を選び、蓬山を下りて自国で暮らすこと。 風海124・338
昇山
しょうざん
自らが王たらんと望む者が蓬山に登って麒麟に会い、天意を諮ること。 東西39
図南52
杖身
じょうしん
私費で雇う護衛。 図南27・402
条風
じょうふう
虚海の北東から冬になると吹き寄せる凍てついた風。北方各国の気候に大きな影響を及ぼす。 東西35
図南24

しょく
気が乱れる嵐のようなもの。世界と蓬莱、崑崙が交じり合う現象。これによって海客や山客がやってきたり、卵果が流されたりする。 月影下37・38
使令
しれい
麒麟が折伏し、天の摂理に組み込んで僕しもべとした妖魔。死後は麒麟の死骸を食べ、麒麟の力を手に入れる。 風海172・175
四令門
しれいもん
四門ともいう。黄海を取り巻く金剛山に四つある、黄海の入り口。春分が北西―令乾門(恭)、夏至が南西―令坤門(才)、秋分が南東―令巽門(巧)、冬至が北東―令艮門(雁)。 風海115
図南53
瑞雲
ずいうん
新王が登極するときにあらわれる、淡く虹色に輝く細長い雲。その実は、王を乗せた玄武が蓬山から王宮へ渡るときに残す足跡。 万里上27・31
旌券
せいけん
旅をするにあたって携帯する小さな木の札。給付された土地の官の保護を保証するもの。表には本人の姓名、裏には発行された役所の名、時に身元保証人の名が記される。 万里上207
禅譲
ぜんじょう
王が自ら位を降りること。白雉が末声の際に遺言を残すことがある。 華胥281
仙伯
せんぱく(※読み表記なし)
五山の女仙男仙、自力昇仙の仙。飛仙の中でも伯位の仙なので、こう呼ばれる。自力昇仙の飛仙には呼称に老の字がつく。 万里下113
沮墨
そぼく
黥面の刑に用いられる墨。十年ほどで消える。 落照96
素卵
そらん
野木に生る、卵のもと。野鳥や虫はこれを啄んで、雛の入った卵を生む。真珠のような色の小さな粒。 風信326
胎果
たいか
卵果が蝕によって蓬莱や崑崙に流され、そこで女の胎内に辿りつき誕生した者。 風海47
東西59
胎殻
たいかく
胎果が蓬莱で生まれるとき、胎内でかぶせられる肉の殻。蓬莱の両親に似せる為にかぶせられる。 黄昏255
地綱
ちこう
天綱に対し、王が発布する法。天綱に違反して発布することはできない。州侯・領主はこれに違反して税を徴集できない。 万里下15
馳車
ちしゃ
専門の業者による、二頭立てから四頭立ての馬車。農閑期に農民が行う場合は馬車と呼ぶ。 万里下36
地仙
ちせん
王から仙籍を賜り、王の下で働く仙人。←→飛仙 万里上124
覿面の罪
てきめんのつみ
王と麒麟が数日のうちに斃れ、国氏が変わるほどの罪。他国に侵入すること。遵帝の故事により判明する。 黄昏164・285
轍囲の盾
てついのたて
〈戴北部〉または、白綿の盾。驍宗が轍囲攻略にあたって盾に白綿を貼らせたことから。誠意の証、という意で用いられる。 黄昏95
天啓
てんけい
麒麟が王を選ぶ時の、抵抗できない直観。 風海364・365
天綱
てんこう
《同:太綱たいこう、施予綱せよこう》天の摂理を記した世界の決まり。ひどく教条的に働く。←→地綱 万里下15
転変
てんぺん
麒麟が、人型から獣型になること。 風海88
冬器
とうき
冬官府で造られる、特殊な呪を施した武器。妖魔や仙を斬ることができる。 万里下52
遁甲
とんこう
使令や蓬山の生まれの一部の麒麟が使う技。地脈や風脈、あらゆるものの気脈に乗って隠形したままどこまでも駆けることができる。 東西263
二声
にせい
白雉。王宮の梧桐宮に棲み、生涯で二回しか鳴かないことから言う。一声が登極、二声が崩御。二声を末声とも言う。二声を鳴いた白雉は即斃れ、その足は次王登極まで御璽の代わりをする。 万里上26
女怪
にょかい
麒麟の乳母。麒麟の卵果が生った同じ日に捨身木の根に生り、一日で孵る。白という姓を持ち、たくさんの獣が混じっているほどよい女怪とされる。 風海22・33
白陽
はくよう
晴天時に雲海の下の雲が切れ、地上の雪の照り返しによって雲上で起こる現象。すべてのものが淡く光る霧に包まれたように見える。 冬栄11
半獣
はんじゅう
半分獣に生まれた人間。 万里上287
飛仙
ひせん
自分で請願を立てて昇仙したり、王に任ぜられても特に王に使えていない者。伯と卿伯の二位がある。←→地仙 万里上123
百稼
ひゃっか
黄朱の主食。さまざまな穀物を煎ったものを、ごく細かく挽いたもの。水を加えて煮ると六倍ほどに増える。これだけで生きていけると言われる。 図南374
飄風の王
ひょうふうのおう
最初の昇山者の中から出た王。疾風のように登極した王、の意。「飄風は朝を終えず」とも言い、傑物かその逆のどちらか、と言われる。 黄昏50
華胥202

地綱によって定められる。軍や官費を賄うための人頭税。定められた範囲内で勝手に徴収できる。人一人にかかる口賦、橋や堤を作るための均賦、妖魔から守るためや里家で養われるための安賦など、実際には様々な名目で課される。 万里上264・265
下15
蓬山公
ほうざんこう
蓬山の主である麒麟を指す尊称。(麒麟が蓬山にいる間のみ) 風海29
鵬雛
ほうすう
〈黄朱〉昇山のとき、王になるであろう人物。鵬ともいう。 図南178
鵬翼に乗る
ほうよくにのる
〈黄朱〉鵬雛を含んで昇山の旅をすること。危険が確実に軽減する。鵬を失った場合、反動が一気に来るらしい。 図南178・180
蓬莱
ほうらい
倭、倭国とも。世界の果てにあると言われる伝説の国。日本のこと。どんな苦しみも悲嘆もない、夢のような神仙の国と言われている。 月影下41
東西12
保翠院
ほすいいん
〈奏〉荒民を救済する施設。奏国公主文姫がその長・大翠をつとめる。 帰山328
満甕石
まんおうせき
黄海で採れる真っ白な石。甕いっぱいの汚水を清水にかえることができる。使い終わると黒緑色に変色し、二度は使えない。 図南160・224
鳴蝕
めいしょく
月の呪力を借りずに麒麟が起こす、小規模の蝕。麒麟の悲鳴が招く蝕と言われる。 黄昏225
野木
やぼく
山野にあり、獣や鳥、草や木の種が生る。水の中には魚の生る木もある。黄海では見た者はいなく、黄海には野木はないとされている。 月影下157・158
万里上322
図南113
卵果
らんか
里木に生る、子どもが入った黄色い果実。親が里木に帯を結んで祈ると実り、十月十日で熟す。親でないともぐことができない。 月影下52・155
里家
りか
各里に一つある、孤児や老人のための施設。里家、里会、客庁、園林からなる。 万里上36
里木
りぼく
里にひとつあり、家畜や子を願う者はこれに帯を結んで祈る。この木の下ではどんな生き物も殺生をしない。1日が鶏や鴨などの鳥、2日が狗、3日が羊や山羊、4日が猪や豚、5日が牛、6日が馬、7日と9日以降が人。家畜はひと月で孵る。 万里上321
図南349
凌雲山
りょううんざん
山頂が雲海上に出た山。王宮、州城はこの山頂にある。多くは禁苑。宮殿や陵墓、飛仙の洞府などに用いられる。 万里上43
猟尸師
りょうしし
黄海に入って妖獣を生け捕ることを生業とする者。仲間の屍を猟ってくる者、という意味で、朱氏を揶揄する言葉。 図南21・142
猟木師
りょうぼくし
野木に生る新しい植物を探すことを生業とする浮民。 万里上323
青条216
路木
ろぼく
王宮内部にある、国の基となる里木。王の子や、新しい穀物などが生る。新しい動植物は8日に、王だけが願うことができる。王が祈り、祈願が届けば十五日で生り、翌年の適期に一斉に国中の里木に卵果がつく。その国土に限り、挿し木すれば里木を増やすことができる。 万里上322
青条252
図南349




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