▼人名録

  ★は故人。
  掲載は五十音順。基本的には作中の呼び名(個人の固有名)で記載してあります。
  号・官位・職業は、故人の場合死亡当時の官位。その他は登場巻中、判明する限り最新のものとしてあります。


■あ行

名前 号・官位・職業 姓名・氏・別字等 境遇・身体的特徴 登場巻
阿選
あせん (字)
禁軍右軍将軍 姓名・朴高ぼく・こう
氏・丈じょう
驕王の時代より禁軍右軍将軍をつとめる。驍宗と並び双璧とうたわれ、用兵や風貌も驍宗と似ている。 『黄昏』
『冬栄』
斡由
あつゆ (字)
元州令尹 姓名・接祐せつ・ゆう
氏・元
元州侯元魁の息子。元州の乱の首謀者。父を幽閉し元州の実権を握り、上帝位を望むが斬首される。赤のような濃い茶色の髪、右のこめかみのひと房だけが白い。 『東西』
帷湍
いたん (字)
太宰 別字・猪突ちょとつ 梟王時には田猟。尚隆に遂人に抜擢される。のち、大司徒。さらに太宰を歴任。猪突の字は登極早々の尚隆に諫言したことにより下賜される。短気。 『東西』
『漂舶』
院白沢
いん・はくたく
冢宰 五十前後。もとは元州州宰で、斡由に仕えていた。 『東西』
『万里』
瑛庚
えいこう
司刑 五十を過ぎて、地方官から州官へ抜擢されて昇仙する。恵施との間に二男一女、清花との間に李理をもうける。 『落照』
栄祝
えいしゅく
冢宰 砥尚の従兄で、登極以前からの仲間。朱夏の夫。二十九で昇仙。黄姑の息子。 『華胥』
英章
えいしょう
禁軍中軍将軍 かつては驍宗軍の師帥。驍宗軍の麾下の中では最も若い。奇計の将。正頼と馬が合う。文州で行方不明になる。 『黄昏』
詠仲
えいちゅう
冢宰 もと垂州侯。鳴蝕がもとで負傷、それにより死亡?(李斎が聞いた噂より) 『黄昏』
亦信
えきしん
小臣 成笙の部下。元州の乱の発端、延麒六太の楯となり妖魔天犬の犠牲となる。 『東西』
淵雅
えんが
太子
大司寇
一度言いだすと頑なで、父に対する対抗心が強い。密かに「劉王以上の劉王」と綽名される。 『落照』
遠甫
えんほ (字)
太師
松伯
氏名・乙悦おつ・えつ 仙伯。麦州で松塾という義塾をひらいていたが、達王に見出されて朝廷に仕える。のちに瑛州固継の閭胥。和州の乱の後、太師。 『万里』
『黄昏』
鴨世卓
おう・せいたく
廉王 農夫の青年。始終にこにこと笑っている。「万民は健康に暮らすこと」という初勅を出した。 『冬栄』
温恵
おんけい
司右の下官 元州の乱の際、国府に殺到した民の対応をする。 『東西』


■か行

凱之
がいし
伍長 禁軍左軍所属。麦州出身、もと麦州師士。禁門門番。 『黄昏』
皆白
かいはく
太宰 驍宗の麾下。王宮での鳴蝕によって行方不明となる。 『黄昏』
花影
かえい
大司寇 明晰で慎重、穏やかな面差しをし、外見は四十半ば、李斎よりも十ほど年長。もと藍州州宰。現在は行方不明。 『黄昏』
佳花
かか
王后 仲韃の妻。贅沢、讒言の限りを尽くし、仲韃登遐の際に斬首される。 『万里』
革午
かくご
和州拓峰に住む民。 『万里』
嘉慶
かけい
保障氏 外見は五十代半ば。槐園に住み、日々暦を作る。 『風信』
臥信
がしん
瑞州師右軍将軍 もと驍宗軍師帥。奇策奇計の将だが、明朗な詐術を繰る。文州で行方不明になる。 『黄昏』
『冬栄』
呀峰
がほう
もと大司馬、予王に村を献上し、和州侯に任ぜられる。靖共と癒着し、悪名高い州侯として暴利を貪るが和州の乱により罷免される。 『万里』
頑丘
がんきゅう
黄朱 柳国出身の朱氏。珠晶が昇山の際に剛氏として雇われ、登極に立ち会う。 『図南』
桓魋
かんたい (字)
禁軍左軍将軍 姓名:青辛せい・しん もと麦州師将軍。のち野に下り、和州の乱に参加。陽子に禁軍左軍将軍に任ぜられる。年の頃二十五、六。熊の半獣。 『万里』
『黄昏』
『乗月』
巌趙
がんちょう
禁軍左軍将軍 巌のような巨躯。もと驍宗軍の師帥。堅実でまっとうな戦をする。 『黄昏』
梟王
きょうおう (謚号)
延王 前延王。即位して長く善政を布いたが、次第に殺戮に興じるようになり、麒麟の失道により斃れる。 『東西』
驕王
きょうおう (謚号)
泰王 前泰王。穏やかで堅実な、百二十四年の治世を布くが、華美を好み、奢侈の果てに道を失う。 『風海』
『黄昏』
興慶
きょうけい
黄朱 芳国出身の猟木師。四十代半ばほどの顔色の悪い痩せた男。暗く刺々しい雰囲気。 『青条』
驍宗
ぎょうそう (字)
泰王 姓名・朴綜ぼく・そう
氏・乍さく
もと禁軍左軍将軍。よく陽に灼けた褐色の肌、青みを帯びた白銀の髪に真紅の瞳。上背が高く、体格も動作もしなやかで獰猛な獣のよう。驕王の時代より次王朝の備えをし、武勇と知略は他国にも名高い。阿選の謀反により現在行方不明。 『風海』
『黄昏』
『冬栄』
玉葉
ぎょくよう(字)
母親とともに水飴を行商している少女。 『月影』
玉葉
ぎょくよう
碧霞玄君 蓬山の女仙の長。外見は、若いようでも中年のようでもある。玲瓏とした美貌。 『風海』
『黄昏』
玉葉
ぎょくよう(字)
(官名不明) 陽子の身の回りの世話をする女官。もとは春官、学校を整備する官の下官。学制に詳しく、前向きな性格。 『書簡』
玉葉
ぎょくよう(字)
楽俊の母親の妹。楽俊の母親と父親が出会う前に亡くなる。 『書簡』
近迫
きんはく
黄朱 剛氏。経験が長く、侠気がある巌のような男。鹿蜀をつれている。 『図南』
恵花
けいか
恭(浮) 万賈相家の家生。(『図南』当時で)十三歳。 『図南』
桂桂
けいけい (小字)
姓名・蘇蘭桂そ・らんけい 固継の里家に住んでいたが、襲撃により負傷。以後は金波宮で働いている。聡明で働き者。十一歳。 『万里』
『黄昏』
恵施
けいし
瑛庚の最初の妻。瑛庚を恨み、罪を重ねる。 『落照』
月渓
げっけい
恵州侯 若い男。過酷な法をもって虐げられる民と国を憂い、八州師を率いて仲韃を討つ。祥瓊を仙籍から削除、恭に送る。王のいない月陰の朝を支えるために玉座につく。 『万里』
『乗月』
元魁
げんかい
元州侯 斡由の父。梟王により元州侯となるが、王におもねったため斡由に権を奪われ州城の地下に幽閉される。 『東西』
浩瀚
こうかん
冢宰 松塾で学び、麦州侯のち冢宰。いかにも怜悧な三十前後の男。 『万里』
『黄昏』
黄姑
こうこ (別字)
采王 姓名・中瑾ちゅう・きん
字・慎思しんし
前王・砥尚の叔母、栄祝の母で、もと太傅。柔和な人格者で、砥尚の親代わりもつとめる。砥尚の禅譲後、登極。黄姑の字は、砥尚を薫陶し影響を与えたことから、麒麟の色になぞらえて言う。 『万里』
『華胥』
更夜
こうや (名)
犬狼真君 姓or氏・駁ばく 荒廃の中で捨てられた子供。妖魔天犬に育てられる。斡由に拾われ、元州射士となる。元州の乱後、妖魔とともに黄海へ。およそ百年の後に天仙として昇仙、黄朱の民に里木を与え、黄海の守護者となる。青みを帯びた黒い髪で、十五、六の少年。 『東西』
『図南』
蒿里
こうり (字)
泰麒 姓名・高里要たかさと・かなめ 黒麒。胎果として蓬莱に生まれ、十歳の時に蓬山に帰る。驍宗を王に選ぶが、謀反によって角を失い、記憶を失って蓬莱に行方不明になる。その後、諸国の麒麟の捜索によって発見され、戴国へ帰ることになる。 『風海』
『黄昏』
『冬栄』
虎嘯
こしょう
大僕 巌のような体格に、黒い髪の大男。和州の乱を起こした「殊恩党」の首謀者。乱の後は王の大僕をつとめる。 『万里』
『黄昏』
醐孫
ごそん
馬州司寇大夫 単身、蓬山に乗り込んで泰麒蒿里を捕らえようとするが、女仙に叩き出される。 『風海』
沍姆
ごぼ
もと恵州新道の閭胥の老婆。祥瓊を預かるが虐げ、月渓に罷免される。 『万里』
呉藍滌
ご・らんじょう
氾王 すらりとした長身、二十代終わりの貴婦人の格好だが男。なんの産業もなかった範国を工匠の国として立てなおし、三百年の王朝を築く。 『黄昏』


■さ行

柴望
さいぼう
和州侯 麦州州宰のち和州侯。四十前後、威厳の漂う、深みのある声。 『万里』
支僑
しきょう
候風 痩せた背の高い四十代半ばほどの男。蝉の抜け殻を探すことに凝っている。 『風信』
砥尚
ししょう
采王 前王。しっかりとした体躯、英知を窺わせる顔。大学を二年で修了後下野し、高斗という党を作り、扶王朝を憂える。扶王登遐後に二十八で登極。飄風の王。二十余年位につくが、理想を追い求めすぎて采麟失道、禅譲。 『華胥』
室季和
しつ・きわ
でっぷりと丸い顔の初老の男。珠晶とともに昇山する。 『図南』
朱夏
しゅか
大司徒 栄祝の妻。砥尚のもとで大司徒を務める。二十五で昇仙。 『華胥』
朱衡
しゅこう (字)
大宗伯 氏・楊よう
別字・無謀むぼう
色白で痩身の優男。梟王時代には内史の下官、尚隆により御史、さらに朝士。のちに大司寇、大宗伯を歴任。わりと短気。無謀の字は、登極間もない尚隆に諫言したところ、下賜される。 『東西』
『漂舶』
珠晶
しゅしょう (字)
供王 姓名・蔡晶さい・しょう 十二歳で昇山、選定を受けて登極。在位は九十年に及ぶ。もとは万賈相家の末娘。 『万里』
『図南』
狩獺
しゅだつ
姓名・何趣か・しゅ 三十前後、痩せぎすで中背、黒髪に黒眼。道州の生まれ。十六件、二十三人もの殺戮事件によって殺刑となる。 『落照』
馴行
じゅんこう
太保 砥尚の弟。朴訥として慎ましい、貧相に痩せた小男。 『華胥』
遵帝
じゅんてい (謚号)
斎王 「遵帝の故事」として知られる斎王。過去、才に三百年の王朝を築くが、荒れた範国に王師を派遣して、覿面の罪にあたり即死。それ以来、才の国氏が斎から采にかわる。 『黄昏』
駿良
しゅんりょう
芝草の小店の子、八歳。狩獺に扼殺される。 『落照』
湘玉
しょうぎょく
元州碧霄の里人。賭事に大負けした尚隆を助ける。 『漂舶』
祥瓊
しょうけい (字)
芳/慶 公主
慶国女史
姓名・孫昭そん・しょう
別字・玉葉ぎょくよう
仲韃の娘。十三歳で父が登極、仲韃登遐の際に仙籍削除、三年間を里家で過ごす。公主の身分が露見して恭国に送られるが脱走、柳で楽俊に出会い改心。慶国和州の乱に参加。現在は慶国女史。紺青の髪、紫紺の瞳の美少女。 『万里』
『黄昏』
昇紘
しょうこう (字)
氏名・籍恩せき・おん もと和州止水郷郷長。呀峰と癒着して利益を貪るが、和州の乱によって罷免。恐ろしく太った男。 『万里』
少春
しょうしゅん
女仙 雁出身。梟王に里を滅ぼされ昇仙。外見は十二歳ほど。 『東西』
昭彰
しょうしょう (字)
宗麟 銀を帯びた金の髪。玲瓏とした声の美女。櫨先新を王に選ぶ。 『図南』
『帰山』
鉦担
しょうたん
恭(浮) 室季和の家生。珠晶昇仙の際に、主人の供として昇山する。四十すぎ。 『図南』
小明
しょうめい
乾県にある舎館の門番。十二歳。 『図南』
小庸
しょうよう
冢宰 老齢の男。仲韃に天官長に任じられる。大逆後、月渓から冢宰に指名される。 『乗月』
蕭蘭
しょうらん
もと羅人。丕緒とともに陶鵲作りに打ち込むも、予王の女狩のため失踪、行方不明。 『丕緒』
尚隆
しょうりゅう
延王 姓名・小松尚隆こまつ・なおたか
別字・風漢ふうかん
もとは蓬莱国、瀬戸内の国人小松氏の後継ぎ。延麒六太の選定を受け、一度滅びたと言われる雁国を立てなおし、五百年の大王朝を築き上げる。体躯は大きく堂々たる偉丈夫、剣客として著名。 『月影』『風海』『東西』『万里』『漂舶』『黄昏』『帰山』
舒栄
じょえい (姓名)
舒覚の妹。舒覚崩御の後、塙王の援助を得て偽王として立つ。 『月影』
舒覚
じょかく (姓名)
景王
謚号・予王よおう
景麒の選定を受けるが、政に興味を抱けずわずか六年で朝を終える。景麒に恋着し女を国から追い出す。 『月影』
如翕
じょきゅう
典刑 容貌は三十半ば。 『落照』
助露峰
じょ・ろほう (氏字)
劉王 地方官吏出身。法治国家で名高い王朝をつくるが、百二十年を過ぎて傾く。その実態はいまだ謎。 『帰山』『落照』
迅雷
じんらい
瑛州師将軍 靖共政権下で禁軍左軍将軍。和州の乱の後、州師将軍に降格。 『万里』
酔臥
すいが
掌暦 髪に白いものが目立つ小さな老人。始終落ち着きなくせかせかとしている。 『風信』
遂良
すいりょう
射鳥氏 五十過ぎ、青黒く瘠せた顔。貧相な男。仙籍に入って日が浅い。 『丕緒』

すず (名)
倭/慶 慶国女御 姓・大木おおき
字・木鈴もくりん、笨媽ほんま
海客。慶国に流れ着き、四年ほど朱旌とともに諸国を放浪、才国で梨耀に会い僕として昇仙する。その後百年ほど梨耀に仕えるが洞府を脱走、黄姑に助けられる。その後慶国へ向かい、和州の乱に参加、現在慶国女御。 『万里』
『黄昏』
清花
せいか
瑛庚の二番目の妻。李理の母。瑛庚の胥として昇仙して十二年。 『落照』
青喜
せいき
孤児だったが、黄姑引き取られ薫陶を受けて育てられる。十九で栄祝の下官となり昇仙する。 『華胥』
靖共
せいきょう
予王のもとで冢宰に任じられる。秋官長、地官長を歴任。呀峰と密かに癒着し、権を徒にするも和州の乱で露見し、罷免。 『万里』
青江
せいこう
羅人 柔な物腰の若者。もと、蕭蘭の徒弟。手先が器用で、頭が良い。 『丕緒』
清秀
せいしゅう
が慶に向かう際、船中で会った子供。昇紘の華軒に轢かれて死ぬ。十二歳くらい、蜜柑色の髪に雀斑。 『万里』
成笙
せいしょう
大司馬 別字・酔狂すいきょう 褐色の肌を持ち痩身で小柄の若い男。梟王によって禁軍将軍になる。諫言して投獄されるが、梟王死後も新王登極まで五十年近く、鍵のかかっていない牢に居座り続けた剛の者。知略に優れ武勇に秀でること比類なしとうたわれる。尚隆によって大僕、のち禁軍左軍将軍、大司馬を歴任。 『東西』
『漂舶』
清白
せいはく
候気 背の低い太り肉の若い男。外見は三十前後。日がな、高楼で空気の澄み具合を見ている。 『風信』
正頼
せいらい
瑞州令尹 宰輔の傅相。もと驍宗軍軍吏。軍にその人ありとうたわれた優秀な文官。英章と仲が良い。 『黄昏』
『冬栄』
夕暉
せっき
年の頃十四、五。虎嘯の弟。漆黒の髪。現在は瑛州の少学生。 『万里』
宣角
せんかく
大司徒 温厚で誠実な若い文官。もとは瑞州の官吏。阿選に処刑される? 『黄昏』
霜元
そうげん
瑞州師左軍将軍 もと驍宗軍の師帥。上背のある偉丈夫、落ち着いて品格のある物腰。泰麒のイメージでは「騎士」。堅実でまっとうな戦をする。 『黄昏』
『冬栄』
相如昇
そう・じょしょう (氏字)
珠晶の父。林業から身を起こした連檣の豪商。手を染めていない商いはない、という意で、万賈と呼ばれる。 『図南』
祖賢
そけん
射鳥氏 悧王時代の射鳥氏。射鳥氏として経験豊富で、温厚かつどこか無邪気な老爺。「射鳥氏の中の射鳥氏」と呼ばれたが、悧王の末期、謀反の罪によって処刑される。 『丕緒』
率由
そつゆう
司刺 容貌は六十前後、物慣れた様子の老人。 『落照』


■た行

大昌
だいしょう
太師
太上
砥尚の父、黄姑の兄。人格者として名高い。痩せた老人。 『華胥』
達王
たつおう (謚号)
景王 何代か前の景王。かつて三百年の大王朝を築き、遠甫を登用する。水禺刀を作る。「懐達」の語源となった王。 『万里』
達姐
たっき
五曽に住む里人。海客の陽子を拾い世話をするが、河西の妓楼に売ろうとする。中年で大柄、碧眼の女。 『月影』
潭翠
たんすい
大僕 泰麒付きの大僕。無口。 『黄昏』
『冬栄』
知音
ちいん
司法 瑛庚の上司。 『落照』
仲韃
ちゅうたつ (字)
峯王 姓・孫そん
氏・健けん
三十年あまりの治世を布くが、あまりに過酷な法のため峯麟失道。恵州侯月渓に討たれる。もとは夏官。 『万里』
蛛枕
ちゅちん (別字)
字・進達しんたつ 雁の大学を中退。歳は四十ほど。勉強に熱中して寝食を忘れ、枕に蜘蛛の巣が張っていたことから、大学の中で蛛枕の字がついた。 『書簡』
張運
ちょううん
大宗伯 驍宗麾下でない、の記述のみでほとんど詳しい説明なし) 『黄昏』
長向
ちょうこう
槐園に住む下働きの老人。 『図南』
『帰山』
禎衛
ていえい
女仙 五十あまりいる女仙の中でも、蓬山住まいが一番長い。見た目は十八、九。自分でも年を覚えていないらしい。 『風海』
杜真
としん
兵卒 禁軍左軍所属。凱之の部下。禁門の門番。 『黄昏』


■な行

中嶋陽子
なかじま・ようこ (姓名)
景王 字・赤子せきし
別名・中陽子ちゅう・ようし
緋色の髪、日に焼けた褐色の肌、深い翠の瞳。景麒の選定を受けて異国へ渡り、巧国を放浪、楽俊の手を借りて雁国に渡る。延王尚隆の助力を得て偽王舒栄を討ち、登極する。 『月影』『万里』『黄昏』『書簡』『丕緒』


■は行


はく (氏)
老師 連檣の庠学の学頭。新王登極前の連檣で、妖魔に襲われて死亡。 『図南』
薄王
はくおう (謚号)
景王 慶国三代前の王(女王)。権を顧みず、奢侈に溺れる。治世は十六年。 『丕緒』
馬子
ばし
恭(浮) 相家の家生の老爺。主に厩舎の番をしている。 『図南』
玻娘
はじょう
珠晶の母、相如昇の妻。賢夫人として名高い。 『図南』
芭墨
はぼく
大司馬 驍宗の麾下。白が混じる鬚。阿選に処刑される? 『黄昏』
比王
ひおう (謚号)
景王 慶国の前々王(女王)。権にしか興味を持たず、百官人民を苦しめる。治世は二十三年。母親が、臥山の芥沾洞に住む。 『丕緒』
丕緒
ひしょ
羅氏 悧王即位から十年ほど後に昇仙、以来百数十年間羅氏をつとめ、「羅氏中の羅氏」と呼ばれる。 『丕緒』
必王
ひつおう (諡号)
峯王 芳国十二か十三代目の王。この時代に山客が仏教を伝え、寺風様式を伝える。 『万里』
標仲
ひょうちゅう
迹人 継州西隕から少学を経て三十半ばで国官となる。 『青条』
扶王
ふおう (諡号)
采王 黄姑より二代前の王。その末期は愚策、法の改悪が続き、官民の指弾を受けて政務を放擲した。愛妾梨耀を遠ざけて後、急速に玉座が傾く。 『万里』
『華胥』
文姫
ぶんき
公主(文公主)
大翠
櫨先新の末娘。年は十八。 『図南』
『華胥』
『帰山』
壁落人
へき・らくじん
倭/雁 海客。東大在籍中の昭和44年1月17日、二十二歳で慶国にたどり着く。雁国貞州芳陵で庠序の教師をしている。外見は三十から五十の間。 『月影』

ほう (氏)
老師 大学の教師。 『書簡』
包荒
ほうこう
山師 継州西隕出身。標仲よりも一年早く少学を出て、節下郷の官吏となる。幼いころより山野で遊び、地形や植物に精通する。 『青条』
蒲月
ほげつ
宮卿補 瑛庚の次男の子。朔州の少学から大学に進学、国官となる。父は茅州の州官。 『落照』


■ま行

松山誠三
まつやま・せいぞう
倭/巧 海客。高知出身。広島の呉にいたが、昭和20年7月28日に海に落ち慶国に流れ着く。巧で宿の雑用をしていたが、陽子の荷物を持って逃亡。行方知れず。 『月影』
明嬉
めいき
王后(宗后妃) 櫨先新の妻。 『図南』
『帰山』
鳴賢
めいけん(別字)
雁の大学生。十九の若さで入学したが、脱落しつつある。歳は二十六。 『書簡』
明珠
めいしゅ
蓮花の隣人。蓮花とともに郷里を出るが、途中で掘割に入水して死ぬ。 『風信』
毛旋
もうせん
小臣/大司馬 もと、成笙の師帥。元州の乱の際に一度、小臣から大司馬に抜擢される。 『東西』


■や行

勇前
ゆうぜん
元州北囲の廬に住む農民。堤を切ろうとする元州師から、堤を守ろうと奮戦。 『東西』
蓉可
ようか
女仙 十六で昇仙。農民の娘に生まれるが十三の年に昇仙の誓いを立て、三年後に満願成就。女仙としては新参者。 『風海』
揺籃
ようらん (字)
采麟 八歳のときに砥尚を王に選んだが、砥尚が二十年の天命尽きて禅譲した後、黄姑を王に据える。線の細い、繊細そうな顔立ち、もの静か。外見は十五、六歳。 『万里』
『華胥』


■ら行

楽俊
らくしゅん (字)
姓名・張清ちょう・せい
別字・文張ぶんちょう
巧国で陽子を拾い雁国に連れていったのをきっかけに、雁の大学に入学。法令に詳しい。(『万里』の時点で)年は二十二。鼠の半獣。灰茶の毛並み、毛に覆われた尾。獣形だと子供に見られる。 『月影』
『万里』
『書簡』
蘭玉
らんぎょく (名)
姓・蘇 固継の里家に弟の桂桂とともに住んでいたが、昇紘による里家の襲撃の際命を落とす。 『万里』
悧王
りおう (謚号)
景王 慶国四代前の王。陽子より百数十年前に即位。在位六十八年。太子があったが、何者かに暗殺された。 『丕緒』
利広
りこう
太子(卓朗君) 櫨先新の次男。外見は二十のはじめ。放浪癖あり。恭国で昇山する珠晶と出会い、登極を助ける。 『図南』
『帰山』
李斎
りさい (字)
瑞州師中軍将軍 姓名・劉紫りゅう・し もと承州師将軍、昇山の際泰王驍宗、泰麒蒿里と面識を得、瑞州師中軍将軍になる。背が高く、赤茶色の髪。慶国へ向かう際に右腕を失う。 『風海』『黄昏』『冬栄』
梨雪
りせつ (字)
氾麟 愛らしく、美しい容貌を持つ。藍滌を王に据える。しかし、祥瓊いわく「中身は延麒」。 『黄昏』
利達
りたつ
太子(英清君) 櫨先新の長男。 『図南』
『帰山』
驪媚
りび
元州牧伯 もとは司刑の官だったが、尚隆に抜擢され元州牧伯となる。元州の乱の際、延麒六太を逃がそうとして自ら犠牲となる。 『東西』
梨耀
りよう
翠微君 琶山翠微洞洞主。もとは扶王の愛妾。天命を失いかけた王に諫言し、奸臣を咎めてよく王朝を助けるが、王に疎んじられて飛仙となる。年は三百歳ほど。 『万里』
李理
りり
瑛庚清花の娘。八歳。 『落照』
蓮花
れんか
征州に住む民。予王の女狩りにあい、家族をことごとく殺された。逃げる途中の建州で王が斃れ、そのまま建州の嘉慶のもとで下働きとなる。 『風信』
聯紵台
れん・ちょだい
雁国で商売をしている痩せた男。珠晶とともに昇山する。 『図南』
琅燦
ろうさん
大司空 驍宗の麾下。外見は十八、九の娘だが恐ろしく博識。 『黄昏』
労蕃生
ろう・はんせい
五十ほどの茶斑の髪の小男。人相はよくないが、話すと闊達。和州で人や物資を仲介している。 『万里』
櫨先新
ろ・せんしん
宗王 五十ほどの、恰幅のよい大きな男。奏国に六百年の大王朝を築き上げた要の人物。もとは交州港街の舎館の主。鷹揚で明晰、何事も家族に謀り、合議制で政を運営する。 『図南』
『帰山』
六太
ろくた (名)
延麒 蓬莱で生まれた胎果。四歳の時、親に山へ捨てられたところに、蓬山から迎えが来る。尚隆を王に選ぶ。外見は年の頃十三。黄味が強くて明るい金の鬣。 『月影』『風海』『東西』『万里』『漂舶』『黄昏』
呂迫
ろはく
垂州司馬 泰麒の時に昇山する。泰麒の父親くらいの年齢で相撲取りのように太っていて大きい。赤ら顔が丸く南瓜に似ているので、女仙に南瓜大夫の名を献上される。 『風海』


■号のみで、名前のない、または不明なひと(?)たち。

供麒 銅色の金髪、がっしりとした体格で、お人よしそうな顔。優美というよりは朴訥という印象が強い。珠晶を王に選ぶ。 『万里』
『図南』
景麒 外見は二十代の後半、膝裏まで届くほどの冴え冴えとした薄い金の髪、能面のような顔。はじめ舒覚を、ついで陽子を選定。仏頂面で生真面目。 『月影』『風海』『万里』『黄昏』『丕緒』
塙王 姓・張 五十年の治世を布くが、景王陽子の登極を阻もうとして塙麟が失道、天命尽きる。もとは地方の衛士。身体が大きく、皺の深い老けた顔の男。公主と太子有り。 『月影』
塙麟 外見は二十の半ばほど。塙王が五十年で天命を失い、失道。 『月影』
峯麟 先王の後に健仲韃を王に選び、二王に仕えるが、二代に渡って暗君を選んだために月渓によって斬首される。 『万里』
廉麟 十八ほどで、明朗な雰囲気を持つ。陽光のように明るい金の髪。世卓を王に選ぶ。 『風海』
『黄昏』
『冬栄』




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