▼街/王宮/建物図

■市街図

県城以上


隔壁(郭壁)かくへき 街を取り囲む外側の壁。
城壁じょうへき 街の内側の壁。街の中心にある府城を取り囲む。
還途かんと 隔壁の内側を取り囲む道。
内還途ないかんと 城壁の外側を取り囲む道。
四門しもん 城壁の東西南北の門。南門を朱雀門または正門、西門を白虎門、東を青龍門、北を玄武門という。
十二門 郡〜県城ならば十二門、州都・首都ならば北の子門が欠けて十一門ある。州都・首都はそこに州府・国府が広がり、凌雲山に接している。
地門ちもん 恭国乾の街にある、令乾門に続く門。街の南東にあり、代わりに辰門と巳門がない。春分のみに開く。
人門じんもん 雁国艮の街にある、令艮門に続く門。街の南西にあり、代わりに未門と申門がない。冬至のみに開く。
※記述はありませんが、才国坤の街の門は丑門・寅門の代わりに鬼門、巧国巽の街の門は戌門・亥門の代わりに天門があると思われます。
街の南に市井、還途にぐるりと面して市、北には寺院や廟が作られる。西より東のほうが格が高い。
稀に、古い街では全く逆になっているところもあり、そういう街は格も西のほうが高い。


県城以下


里閭 里にひとつだけある門。
大緯だいい 里祠・里府・里家の前を東西に貫く広い道。
大経だいけい 里祠・里府・里家の前からまっすぐ南北に延びる道。
里祠りし 正式名は社しゃ。里木、諸神、土地神を祀る。
中央に里木を祀る里祠、西に土地神と五穀神の社稷、東に祖霊を祀る宗廟がある。
天帝と西王母も合祀するが、里祠とは別に廟を設ける街もある。
里府りふ 役所と小学がおかれる。
里家りけ 里家…孤児と老人が住む。
里会…冬に里の者が、昼間に集まる場所。
客庁…里や里家の客のための建物。
園林…書斎や庭園。



■王宮の構造

燕朝えんちょう

凌雲山山頂にある、王の居宮と朝廷。
内宮ないぐう

王が住む場所。基本的に王は内宮を出ない。
燕寝(後宮)
えんしん
後宮こうきゅう 北宮ほくぐう 王后の居宮。
水陽殿すいようでん 正殿。
小寝しょうしん 典章殿てんしょうでん 正殿。
東宮とうぐう 王の親族が住む。
長明宮ちょうめいきゅう 正殿の長明殿、他に別殿がある。
嘉永宮かえいきゅう
西宮せいぐう 梧桐宮ごどうきゅう 鳳凰・鸞など五種の霊鳥が住む。
二声宮にせいきゅう 白雉が住む。
太廟たいびょう 王が礼拝する。
福寿殿ふくじゅでん 路木がある。
路寝ろしん 正寝せいしん 王の居宮。建物だけで32。
長楽殿ちょうらくでん 正殿。
花殿かでん 長楽殿から広大な庭園と塀を隔てた隣。
仁重殿じんじゅうでん 宰輔の居宮。
広徳殿こうとくでん 首都州庁。
内宮外宮共有 内殿ないでん 王が政務を執る場所。
積翠台せきすいだい 内殿最奥の書房。
左内府さないふ
太師府たいしふ ※「内殿にほど近い」とも「内殿にある太師府」ともあるので、太師府が確かに内殿なのかは不明です。内殿に近い三公府の一部かもしれません。
外殿がいでん 朝議の間。
朝堂ちょうどう 朝議までの控えの建物?
外宮
がいぐう

官吏が働く場所。基本的に官は外宮より奥へは行けない。
掌客殿
しょうきゃくでん
賓客をもてなすための場所。外殿の西にある。
淹久閣えんきゅうかく 庭園にある。
西園さいえん 承天殿しょうてんでん 射儀が行われる。
清香殿せいこうでん
蘭雪堂らんせつどう 清香殿に続く書房。
孤琴斎こきんさい 蘭雪堂の先の小さな建物。
内朝
ないちょう
高級官の官邸と役所。
 ※内朝の詳しい説明はないのですが、外宮と内朝の定義から、外宮は内朝を含んだ場所であると判断しました。
三公府 仁重殿に近い。
外朝/治朝
がいちょう/じちょう

下級官の官邸と役所。雲海の下、山の中腹にある。
夏官府かかんふ 射鳥氏府せきちょうしふ 夏官府は治朝の南西に広がる。
冬官府とうかんふ 羅人府らじんふ 無数の部署は、中庭を囲んだ四つの堂屋から成る匠舎と、それに隣接する工舎から成る。羅人府の匠舎は断崖に断ち切られているため西の堂屋がない。
司法府しほうふ 罪人を呼び出し、尋問を行なう。
国府 司右府しゆうふ

・王宮図

金波宮(慶) 複雑な起伏を持った山。
白圭宮(戴) 湾を抱き込むようにして馬蹄形に広がる。壁、柱、手摺りまですべて白、屋根は紺。
雨潦宮(漣) 起伏に乏しく、なだらかにゆったりと広がる。
清漢宮(奏) 無数の大小の島から成る。
玄英宮(雁) 屋根は黒。

※ 王宮内における各宮殿の大きさや位置はわかりませんので、それぞれの宮の位置関係から適当に配置しています。禁門への道は図上では東宮側にしてありますが、路寝(燕寝)とあるだけなので詳しい位置は不明です。

※ 大体の宮の名前は各国共通していると思われますが、書斎などの小さな建物まで共通しているかは不明です。

・凌雲山図


禁門 王と宰輔しか使うことのできない門。
凌雲山の中腹に広い岩棚が設けられ、巨大な門がそびえる。門を入れば燕朝の深部、路寝(燕寝)に出る。正寝はすぐ目の前。
正門 凌雲山の麓と燕朝をつなぐ五つの門。
路門ろもん…燕朝と治朝をつなぐ門。
雉門ちもん…国府の奥にある門。皋門から雉門までは市民が自由に出入りできる。中門ともいう。
皋門こうもん…国府の入り口にある門。
国府 正殿では即位式などの礼典が行われる。その前の、正殿と国府に挟まれた場所には広大な広場がある。



■蓬山の構造

蓬山俯瞰図


蓬山断面図
丹桂宮
たんけいきゅう
蓬廬宮の中で一番大きな宮。王が天勅を受けるまでの日を過ごすための場所。外に最も近いところにある。
雲梯宮
うんていきゅう
蓬廬宮の北、断崖の麓にある。天勅を受けるときになると奥の朱塗りの扉から透明な階段がのび、蓬山頂上につながる。
白亀宮
はっききゅう
白い壁、白い石の床の八角形の建物。壁は一面にしかない。白い階段で雲海上とをつなぐ。
甫渡宮
ほときゅう
蓬廬宮の外にある離宮。昇山者の対面の時に用いる。
露茜宮ろせんきゅう 紫蓮宮しれんきゅう 海桐宮かいどうぐう
海桐泉かいどうせん
紫蓮洞しれんどう
麝香萓の苑ゆうすげのその 罌栗苑けしえん
大真廟たいしんびょう
桑園そうえん

・東は断崖、北は絶壁。
・捨身木を突端に扇形に広がり、緩やかに下る。
・頂上には白く壮麗な祠廟がある。天帝と西王母の像がある正殿、下界とをつなぐ朱塗りの小さな祠から成る。

※蓬山全体に対しての蓬廬宮の大きさは不明です。図上では適当です。

―白亀宮について―

『黄昏』で陽子は、雲海の上から白い階段を降りて八角形の宮にたどり着いています。『風海』には、白亀宮は白い八角形の宮であり、また景麒は白亀宮から国に帰ると言っています。
つまり、白亀宮には雲海上の祠廟とをつなぐ扉(普段は存在しない)があるようです。白亀宮からの階段は白で、こちらは普段用です。
  王が天勅を戴くときは雲梯宮を使用します。このときは透明の階段になります。雲梯宮には普段も扉は存在します。祠廟側の扉はどちらを使っても共通です。(→Thanks!!)



■家の構造

一明二暗
建物の基本。里家や邸、大きな舎舘などの構造。

・二つの臥室しんしつの間に、開放型の起居いまがひとつある。
・起居の戸は折り戸で、普段は開けて衝立を置く。
・大きな家では、臥室のひとつは牀榻しょうとうを置いて寝室にし、もうひとつは榻ながいす、書卓つくえ、棚などを置いて書房しょさいにする。


参考;四合院【Wikipediaへ】
北郭の桓魋の家の描写とほぼ同じです。
小説中によく出てくる「院子なかにわ」などの構造もわかりやすいと思います。




廬家の構造

・2えるでーけー。
・厨房は土間。

※達姐や楽俊の家は二間で、臥室と寝室の間の壁がないようです。
※図上では臥室・起居の大きさは一明二暗の場合、厨房は達姐の家と同じ大きさにしています。が、たぶん家によって様々です。






十二国記データベース